
この記事の概要
Digitail:カルテ管理、AIによるSOAP音声入力、予約、リマインダー、会計を1つのシステムで完結させたい動物病院に最適な、オールインワンのクラウド型プラットフォーム。
Shepherd:SOAPカルテ、料金請求、メッセージ送受信、レポート作成を1つのシステム内で処理したい、ワークフローを重視する動物病院に最適。
Voicy:Mac、Windows、ChromeベースのWebアプリに対応。ブラウザ上で動作し、迅速な音声入力、フォローアップ文書作成、退院指示書、紹介状、その他の文書作成に最適。
ezyVet:高度なカスタマイズ、テンプレート、詳細なレポート機能を必要とする、大規模または複雑な運営スタイルの動物病院に最適。
PetDesk:顧客とのコミュニケーション、リマインダー、オンライン予約の管理、および受付の電話対応負担の軽減に最適。
Otto:動物病院管理システム(PIMS)と連携し、コミュニケーションワークフロー、リマインダー、決済、さらなる業務自動化を実現したい病院に最適。
ScribbleVet:獣医療に特化した、AIによる診療記録作成、SOAP下書き、および飼い主向けの要約メール作成に最適。
獣医師向けの最適なソフトウェアを選ぶ際、すべての課題を解決する「魔法のアプリ」1つだけで済ませようとするのは現実的ではありません。多くの動物病院では、堅牢な基幹システム、コミュニケーションレイヤー、そしてカルテ作成を効率化するスピーディーな方法が必要となります。
そこで本記事のリストが役立ちます。人気のある関連ページの掲載内容を調査し、現在の各ベンダーの位置付けを検証した上で、獣医師が日々直面する実務(カルテ作成、予約管理、リマインダー、電話対応、フォローアップ、診療記録作成など)を解決できるツールを厳選しました。
獣医向けソフトウェアツールの選定基準
動物病院のコア業務である、管理システム、カルテ記録、音声入力、予約、または顧客コミュニケーションのいずれかを確実に効率化できるソフトウェアに焦点を当てました。また、一般的なビジネスソフトの画像をペットに差し替えただけのものではなく、獣医療の実務に即した明確なユースケースを持つツールを優先しています。
さらにもう一つの選定基準として、多忙な動物病院において「タブを開きすぎる」「クリック数が多すぎる」「コピー&ペーストを繰り返す」といった無駄を増やさないことを重視しました。優れたツールは、複数のシステムを1つに統合するか、毎日の煩雑な事務作業を根本から削減してくれます。
クイック比較表
ツール名 | 主な用途 | 主なカテゴリ | 料金プラン |
|---|---|---|---|
モダンな動物病院向けオールインワンソフト | 動物病院管理(プラットフォーム) | 個別見積もり | |
ワークフロー主導型の動物病院向け | 動物病院管理(プラットフォーム) | 個別見積もり | |
大規模かつ複雑な運用の動物病院向け | 動物病院管理システム(PIMS) | 個別見積もり | |
リマインダーと飼い主によるセルフ予約 | コミュニケーションツール | 個別見積もり | |
コミュニケーションと業務フローの自動化 | コミュニケーションツール | 個別見積もり | |
獣医師向けAI SOAPカルテ作成 | ドキュメント作成 | 1ユーザーあたり月額40ドル〜 | |
各種システムを横断した音声入力と文書作成 | 音声テキスト化 | 月額8.49ドル、年額82ドル、または永久ライセンス260ドル |
1. Digitail
Digitailは、オールインワンの動物病院向けプラットフォームを求める場合に最も強力な選択肢の1つです。予約、カルテ、コミュニケーション、決済、AIによるSOAP音声入力、運営レポートのすべてが同一システム内に統合されている点が大きな特徴です。

主な特徴:
受付業務、カルテ作成、バックオフィス業務を1つのシステムに統合
AIによるSOAP音声入力およびカルテの自動要約機能を搭載
バラバラのツールをまとめてスッキリ整理したい病院に最適
注意点: オールインワンのプラットフォームは非常に便利ですが、既存データからの移行には作業を伴います。スタッフが古いシステムに慣れている場合は、トレーニング期間を見込んでおく必要があります。
最適な対象: パッチワークのようなツール運用をやめ、モダンな統合システムを1つ導入したい小〜中規模の動物病院。
2. Shepherd
Shepherdは、ワークフローを中心に設計されています。そのこだわりは、SOAPベースのカルテ、患者ダッシュボード、未請求防止(チャージキャプチャ)、メッセージ機能、予約管理ツールなどに色濃く反映されています。

主な特徴:
獣医師が普段行っている思考プロセスに沿った、直感的なSOAPワークフロー
標準搭載されたコミュニケーション機能とペット用ポータルにより、アプリ切り替えの手間を削減
リマインダー、請求書発行、フォローアップタスクに関する強力な自動化
注意点: 病院全体の業務フロー全体をこのシステムに統合することで最大の効果を発揮します。単一の機能だけを切り取って使いたい場合は、オーバースペックに感じるかもしれません。
最適な対象: 受付から会計までの業務プロセスにおけるあらゆるストレスを最小限に抑えたい動物病院。
3. Voicy
Voicyは動物病院専用のPIMSではありませんが、だからこそ非常に便利です。ブラウザベースの管理システム、メール、紹介用ポータル、退院指示書、学内メモ、フォローアップのメッセージなど、さまざまなツールを横断して作業する際にその真価を発揮します。

Voicyは無料トライアル付きのクラウド型「音声テキスト化」ソフトで、Mac、Windows、ブラウザ拡張機能として動作します。料金体系はシンプルで、月額8.49ドル、年額82ドル、または260ドルの永久ライセンスから選べます。
主な特徴:
特定のカルテシステムに縛られず、あらゆるテキスト入力欄で「音声入力ソフト」として動作
症例記録、退院指示書、スタッフ間の引き継ぎメモ、紹介状などの音声入力に便利
迅速な「音声文字変換ソフト」や執筆アシスタントとしての機能を重視する場合、獣医専用のAIツールよりもコストパフォーマンスが高い
注意点: VoicyはPIMSや飼い主向け連絡ツールを完全に代替するものではありません。ドキュメント作成や文章執筆を劇的にスピードアップさせる「ブースター」として位置付けるのが最適です。
最適な対象: 毎日複数のシステムにテキストを入力しており、タイピングの手間を減らして「音声入力アプリ」として効率化したい個人獣医、勤務医、マネージャー。
動物病院のワークフローにおけるVoicyの活用法
多くの動物病院向けソフトウェアが時間短縮を謳っていますが、結局はキーボードでの入力作業が残ります。そこで、優れた病院プラットフォームをすでに導入している場合でも、柔軟に使える音声入力ツールを組み合わせることで、大きな時間短縮につながります。
Webベースのシステムやポータルサイトでの、カルテ下書き用「音声文字変換ソフト」として活用
治療計画のサマリーやフォローアップメールの「音声入力アプリ」として活用
共有ドキュメントでのマニュアル作成やスタッフ向けメモの作成時に、「音声認識ソフト」として素早くテキスト化
すでに院内のマニュアルをNotionで管理していたり、Googleドキュメントでテンプレートを共有していたり、あるいは1日中ブラウザのタブを開いて仕事をしているチームにとって、Voicyの相性は抜群です。Voicyブラウザ拡張機能を使えば、そうしたWeb上のワークフローに直接「音声認識エンジン」を組み込むことができます。また、飼い主向けの解説資料を作成したり、まずはアイデアを音声でざっくりとアウトプットしてからブラッシュアップしたいチームには、ChatGPTの音声認識機能を併用するのも実用的なアプローチです。
4. ezyVet
ezyVetは、より深い機能を求める動物病院の定番ツールです。予約管理、豊富なカルテテンプレート、レポート作成、そして複雑なワークフローへの対応力において、非常に高い評価を得ています。
主な特徴:
高度なテンプレート機能により、日常的な診療記録や標準ワークフローを効率化
成長中の病院に役立つ、充実したデータレポートと自動化機能
往診獣医や複数拠点を持つグループ病院でも使いやすい、快適なクラウド設計
注意点: 機能が豊富である分、導入時の初期設定には相応の時間と労力を要します。小規模な病院にとっては、導入当初は少しオーバースペックに感じられる可能性があります。
最適な対象: より複雑な運営プロセスを持つ、大規模病院、専門病院、またはマルチサイト(複数拠点)のグループ病院。
5. PetDesk
PetDeskは、受付の電話応対の多さに頭を悩ませている病院にうってつけの選択肢です。電話連絡の削減、リマインダーの自動化、オンライン予約、事前問診票、薬の処方依頼など、飼い主とのコミュニケーションを円滑にすることに特化しています。

主な特徴:
強力なリマインダー機能と、飼い主が使いやすいセルフ予約システム
電話の着信件数を減らし、受付スタッフの負担を軽減したい病院に最適
既存のカルテシステム(PIMS)を入れ替えることなく、飼い主の体験価値(CX)を向上
注意点: PetDeskは病院の基幹システムではありません。信頼できるカルテ管理や会計システムと組み合わせて使うことで、初めて最大の効果を発揮します。
最適な対象: 既存のPIMSには満足しているものの、予約システムや飼い主への連絡機能を強化したい動物病院。
6. Otto
OttoはPetDeskと似た領域のツールですが、さらに一歩踏み込んでワークフローの自動化に特化しています。リマインダー、SMS、メール、電話、ビデオ通話、決済、飼い主のエンゲージメント向上まで、幅広くカバーします。

主な特徴:
単なるリマインダーの送信にとどまらず、通院前後のコミュニケーション全体をスムーズにする設計
複数のバラバラな連絡ツールを1つに統合可能
メインの管理システム(PIMS)を変えずに、コミュニケーション自動化を実現したいチームに好適
注意点: 現在導入しているシステムがすでにコミュニケーション機能を有している場合、役割が重複する可能性があります。社内連絡や飼い主とのコミュニケーションが煩雑になっている場合に最も導入効果が現れます。
最適な対象: 飼い主とのやり取りを整理し、日々の業務フローをよりスマートに自動化したい動物病院。
7. ScribbleVet
ScribbleVetは、「カルテ作成が終わらない」という特定の悩みに徹底的にアプローチするツールです。診察中の音声や要約した録音を「音声文字変換ソフト」として処理し、正確なSOAPカルテに変換。さらに、飼い主向けのわかりやすい要約メールも自動で作成します。

主な特徴:
一般的な医療用ではなく、獣医療の専門用語に対応した「音声認識api」をベースに設計
夜遅くまで残業してカルテ書きをしている獣医師の強い味方に
飼い主向けの診察サマリー作成や、既存PIMSへのデータ転送サポート機能も搭載
注意点: あくまでドキュメント作成に特化したツールであり、病院全体の予約や会計などを管理するシステムではありません。カルテ書きがボトルネックになっている場合には最適ですが、基幹システムの代わりにはなりません。
最適な対象: 診察数(件数)が多く、カルテの質を落とさずに記載スピードを極限まで高めたい獣医師およびチーム。
獣医師向けソフトウェア選びで最も重要なこと
獣医師にとって最適なソフトウェアとは、必ずしも最も機能が多いツールではありません。忙しい日の夕方5時45分という過酷な時間帯でも、現場のスタッフがストレスなく「実際に使い続けられる」ツールこそが正解です。
ツールを検討する際は、以下の質問をまず自分に投げかけてみてください。
このツールは本当にクリック数を減らしてくれるか? それとも別の場所に作業が移動するだけか?
獣医師がカルテを仕上げるスピードは劇的に向上するか?
受付にかかってくる電話の件数は減るか?
異なるシステム間での「コピペ」の往復作業を減らせるか?
移行作業やスタッフの操作トレーニングにはどれくらい手間がかかるか?
もし、カルテ記録の手間が業務のボトルネックなら、ドキュメント作成のスピードアップを最優先に。受付が電話対応でパンクしかけているなら、予約システムや飼い主とのコミュニケーション自動化を。病院全体のシステムがバラバラで混乱しているなら、オールインワンシステムを最優先に検討しましょう。
最終的な結論
もし病院の基幹となるシステムをゼロから選ぶなら、病院の規模や業務の複雑さに合わせて Digitail、Shepherd、または ezyVet の検討から始めてみてください。飼い主との連絡や受付業務の削減が最大の目的なら、PetDesk や Otto が有力な候補になります。
もし、カルテの作成業務が原因で夜遅くまで残業しているなら、獣医医療に特化した ScribbleVet が明快なソリューションを提示してくれます。そして、特定のツールに縛られず、あらゆる画面で診察メモや指示書作成、日常の事務作業を「音声入力ソフト」を使ってより安価かつ柔軟に効率化したいのであれば、ツール単体の総入れ替えではなく、既存システムに Voicy を追加するのが賢明なアプローチです。
現実的には、多くの動物病院が1つのシステムだけで全てをカバーするのではなく、複数の優れたツールを「重ね合わせて」運用することになります。目指すべきはツールの数を減らすことではなく、診療後のサービス残業(カルテ打ち)をゼロにすることです。






